はじめに
私たちが生活を送るなかで、予想もしなかった問題が起きたり、トラブルに巻き込まれることもあります。
たとえば、ある日、身に覚えもないのに訴えられた、毎月の返済に追われ困っている、悪徳商法に騙されてしまった、貸したお金が返ってこない、交通事故の相手方が誠意のある対応をしない、離婚したいのだが相手が応じない、会社が給与を支払ってくれない・・・
こうした問題を解決するうえで、法的手続きが必要となり法律の専門家のアドバイスや手助けが必要な場合があります。ところが、法律の専門家の援助が必要なのに、経済的な理由のために依頼できない・・・ 。
そんなとき、法テラスの法律扶助制度を利用して、法律専門家のアドバイスや手助けを受けることができます。
民事法律扶助とは
資力の乏しい方が法的トラブルにあったときに、日本司法支援センター(法テラス)が無料法律相談を行い、必要な場合、法律の専門家を紹介し、裁判費用や司法書士・弁護士の費用の立替えを行う制度です。
ご利用については、当会またはお近くの司法書士にお尋ねください。
民事法律扶助を利用するための要件
民事法律扶助を利用するためには、下記の要件を備える必要があります。
詳細は、法テラスのホームページをご覧ください。
1、資力基準
賞与も含んだ月収(手取り)の目安は次の通りです。
人数 | 手取月収額の基準 | 家賃又は住宅ローンを負担している場合に加算できる限度額 |
---|---|---|
単身者 | 18万2,000円以下 | 4万1,000円以下 |
2人家族 | 25万1,000円以下 | 5万3,000円以下 |
3人家族 | 27万2,000円以下 | 6万6,000円以下 |
4人家族 | 29万9,000円以下 | 7万1,000円以下 |
- 家族が1名増えるごとに30,000円を上記基準額に加算します。
- 本人または配偶者が、家賃または住宅ローンを支払っているときは、次の額を限度にその支払額を上記基準額に加算します。
2、勝訴の見込みがないとはいえないこと(相談料についてはこの要件は不要)
和解、調停、示談成立等による紛争解決の見込みがあるもの、自己破産の免責見込みがあるものも含みます。
3、民事法律扶助の趣旨に適すること
報復的感情を満たすだけや宣伝のためといった場合、または、権利濫用的な訴訟の場合などは利用できません。
司法書士等の費用の立替とは
法律扶助が決定されると、次の費用が立替えられます。
- 訴訟費用(司法書士等の報酬金を含む)
- 裁判所に提出する書類の作成費用など
- 成年後見等開始申立てに伴う鑑定費用
立替金の返還方法は
立替費用は原則として毎月分割で返還していただくことになります。ただし、事情により返還が困難な場合には、返還を猶予または免除する制度もあります。なお、生活保護を受給されている方については、原則として返還が猶予または免除されます。